雪国ラプソディー
偶然の再会
「あっつーい!」
ジリジリジリと蝉が鳴いている。私は何度もまばたきをした。
(雪国の夏って、普通に暑いんだ)
完全に避暑地をイメージしていたので、正直意外だ。暑くて頭がぼうっとしてくる。
駅から外へ一歩出ると、快適な新幹線車内とは打って変わって、ピーカンな空がお出迎えしてくれたのだった。
私はボストンバッグを肩にかけ直して、タクシー乗り場へと向かった。
「ええと、デュオパールホテルまでお願いします」
先頭のタクシーに乗り込んだ私は、運転手さんに目的地を告げた。
会場となるホテルは駅から少し離れた場所にあるらしく、しばしのドライブだ。赤く鮮やかに塗装された、大きな橋を渡る。
どこから来たの? 今日は結婚式? などと、気さくな運転手さんの質問に答えること十数分。目的のホテルへ到着した。