幸福論
マテリアル
夜中、ロフトのふとんの中でふと目が覚めると、マウスのボタンを押すぽちぽちっ、という音が下から聞こえた。

あー、またか。

ワンルームのボロアパートで暮らすわたしと、あこ。

この狭い部屋にはどんな些細な生活音さえも聞こえてしまう。

もぞ、と寝返りをうってみるが、その音は無視されてしまう。

彼女には今、それどころではないことが起こっているのだ。
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