Blood honey2
―――ピピッ、ガー…
「東地区、北緯35メートル。
数は約150程度、中心部…赤服がそうだ。
左から攻める、……かかれ!!」
―――ワァァァアアアア!!
―――ドカーン!ドドドド!
「ひゃー、派手にやってるねえ。シルビア。」
「グラジオラス……」
気配を消して後ろに来たグラジオラスに、呆れた眼差しを向ける。
「やだなー、シルビア。
そんな顔すんなって(笑)」
「させてるお前が言うな。
なんで此処にいる?」
あの日から約10年と言う月日が流れた。
私とイヴは隊長に、ソルディアはイヴの副隊長。
悠は私の副隊長になった。
ちなみに私は総隊長。
グラジオラス、スエルバは元帥に、ギルリアさんは引退した。
「馬ー鹿、元帥の俺がいたほうが心強いだろぉ?」
「頼んだ覚えはない。
ていうか、私一応総隊長なんだけど。
信用ってもんはないわけ?」
「俺は後輩が心配なの。
って言うのもあんだけど、伝言。
例の紅楓の修理と鐵線が出来たってよ、ロディが言ってたぜ。」
そう言えば、我妻はどーした?といいながら岩に腰掛けるグラジオラスに、オッサンめ…と思いながら、戦場を指差す。
「あン中。」
「……え、じゃあ…
コレは…?」
恐る恐る…と言った感じで出したのは、碧みを帯びた刀。
それは五年前から悠が使っている愛刀、蒼琉呀(ソウリュウガ)で。
バッ!と二人で戦場を覗けば…………
「どこだああああ!!
俺の蒼琉呀ァァア!!」
「「バカヤロオオオ!!」」
思わず怒鳴ってしまいました(笑)
「ッチ!早く悠に届けないと!」
「は!?だってお前、今紅楓は無いんだぞ!?」
そう私の普段の戦闘形式は体術と剣術。
しかし今は体術だけ。それも相手は150人。
無謀だ、と言いたいんだろう…グラジオラスは。