いちりょうぐそくっ!
その数日後、家臣の福留親政が姫の部屋の外にくる。



姫には福留が来たと分かった。

足音・・・落ち着いてゆっくり歩いている音が福留だ。


姫は足音1つで誰が来たか一発で分かるのだ。

基本的に引きこもりがちな姫は昔から人の足音を判別するのが好きだ。


ちなみに父である国親の足音は力強い音で切羽詰まった様な歩き方だ。






「姫、ここ数日部屋に籠ってばかりで大丈夫ですか?食事・風呂・便所以外に部屋から出るところを見ないのですが。」


部屋の外から福留は喋る。


姫に対して優しい福留らしい。

姫に気遣って口調も優しく、姫はその気遣いがとても嬉しいようだ。




「今は・・・まだ一人にして欲しい・・・。」


いつより若干元気の無さそうな声で喋る。


その声を聞き福留は「わかりました。」と言い、一旦下がる。



福留親政はしばらくしたら元気になるだろうと思った。


しかし家中では「父に叱られて引きこもった心の弱い姫君」と罵られるだろう。





福留は考える。このままでは姫は家中の者に馬鹿にされる続ける。


そして行く行くは跡継ぎ争いが起きるだろう。

姫が家臣の心をしっかりと掴んでおけば大丈夫なのだが・・・。




とにかく姫のか弱い心を何とかして強い心に変えねば家臣が着いてきてくれない。


そこで福留は閃いた。



「そうだ・・・!狩をしよう!」
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