いちりょうぐそくっ！
姫たちは山に入り、遂に狩りが始まる。


狩りが始まると姫は急にオドオドした表情になる。

何をすれば良いのか不安で仕方がないのであろう。


そんな中、姫の隣にいた久武親信が猪を見つけて弓を構える。


｢姫、良く見てください。獲物を射るときは力を入れすぎない様にします。こんな感じで・・・。｣


矢を放った久武はその矢の行く末を見守る。


無事に猪に当たり、動きが遅くなったのを確認して、今度は姫に弓を渡す。


｢私が矢を射るの・・・？初めてで怖いんだけど・・・。｣


｢大丈夫ですよ。俺と同じようにすれば上手く命中しますよ。｣


言われた通りに姫は矢を射る。


初めてだった割りには特に力みすぎたりせずに矢は獲物に命中する。


｢当たった・・・！やったぁ！｣


珍しく姫がはしゃいでいる。

あまり感情を顔に表さない姫が珍しくはしゃいでおられる。


やはり、無気力な姫でも獲物を仕留めた時は嬉しい。

姫も人間だから当たり前と言えば当たり前である。


しかし、そんな姫の表情を見て嬉しいのは守役の福留親政だ。


姫の喜ぶ姿なんて滅多に見れないのだ。だから、姫の笑顔を見ると凄く嬉しいと言うか・・・嬉しいっ！



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