冷徹上司は大家さん!?
そちらの課長と食事に行く機会があって、商品企画課に異動させるなら永原さんだろう、と話しておきました」

「そうだったんですか……ありがとうございます」


 営業課長と取引先担当者ってそんなに深い話までするものなんだ。

 さすが、大手百貨店のやり手社員なだけある。

 ありがたく思いながらも少しびっくりしていると、間が空いたことが気になったのか、瀬尾さんがこう付け足した。


「あ、別に永原さんに媚び売ろうと思ってそうしたわけじゃないですよ」

「はあ……」

「そういえば、あれからちょっとは僕のこと考えてもらえましたか?」

「え?」
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