冷徹上司は大家さん!?
「おはようございます」
挨拶しながら営業課のデスクに向かおうとすると、うちの課長と立ち話をしている浅野課長の姿が目に入った。
「ですから、グラデーション作りが目的のシャドウは今までアデュルテにしかありませんでしたが、フィーユのシャドウもそういう使い方を推していくべきだと思うんですよ」
「しかし、フィーユのシャドウはどれも単色だからなぁ……」
「店頭のPOPで、何色か組み合わせた使い方を提案するのはどうでしょうか? 今、中身を選べるコフレなんかも売れてますし、オリジナルの組み合わせを作れる商品はウケると思います」
「なるほど……取引先に提案してみるか」
なんと、私が浅野課長と別れて会社に向かうまでの10分ちょっとで、もう改善提案が完成している。
しかも話の内容的に、すでに取り入れられるのが決定したような感じ。