冷徹上司は大家さん!?
 いや、浅野課長のペースに完全には巻き込まれまい!と、彼の後を追う。


「あの、浅野課長。今、交換条件として料理教えてくださるって言いましたよね?」

「うん」

「それなら、ちゃんと日時まで決めて頂きたいのですが」

「俺はいつでもいいよ。月曜でも火曜でも、水曜でも木曜でも。金曜も空いてる」

「暇なんですか!?」

「ははは、お前ツッコミ鋭いな」


 いや、それはあなたがボケてるからです。


「じゃあ来週から毎週水曜の夜、よろしくお願いします。ノー残業デーですし」

「了解」


 冗談半分で毎週、なんて提案をしてみたけど、あっさり受け入れられてしまった。

 個人的に料理を教えてくれるなんて、どうせ社交辞令だろうと思ったのに。


 こんな簡単に約束を取り付けるなんて、この人、本当に暇人なのかな?
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