冷徹上司は大家さん!?
「ん、もうちょっと上向いて。目線はまっすぐ前見たままで」
「はい……」
今日も今日とて満員電車。
スーパーに行った日から3日がたったけれど、浅野課長はあれから毎日私のメイク観察にいそしんでいる。
「へえ、アイラインってこんなに粘膜ギリギリまで引くもんなんだな」
「そりゃそうですよ。女子の戦いは、いかに目を大きく見せるかっていうことに尽きますから」
「なるほど……」
浅野課長は相変わらず壁に手をつくことで私を人混みから守ってくれてるけど、この状況はなかなかシュールだと思う。
眼鏡イケメンの壁ドンっていう女子憧れのシチュエーションなのに、実はひたすらメイクを観察されているなんて。
「ねぇ、あの人めっちゃイケメンじゃない?」
「本当だ! しかもスーツに眼鏡で壁ドンって……何あれ少女漫画?」
同年代と思しきOLさん達がひそひそ声で話しながらこっちを見ている。
羨ましそうな視線を感じるけれど、変われるものなら変わってあげたい。
そして、この人はただの仕事馬鹿ですよ、と教えてあげたい。
「はい……」
今日も今日とて満員電車。
スーパーに行った日から3日がたったけれど、浅野課長はあれから毎日私のメイク観察にいそしんでいる。
「へえ、アイラインってこんなに粘膜ギリギリまで引くもんなんだな」
「そりゃそうですよ。女子の戦いは、いかに目を大きく見せるかっていうことに尽きますから」
「なるほど……」
浅野課長は相変わらず壁に手をつくことで私を人混みから守ってくれてるけど、この状況はなかなかシュールだと思う。
眼鏡イケメンの壁ドンっていう女子憧れのシチュエーションなのに、実はひたすらメイクを観察されているなんて。
「ねぇ、あの人めっちゃイケメンじゃない?」
「本当だ! しかもスーツに眼鏡で壁ドンって……何あれ少女漫画?」
同年代と思しきOLさん達がひそひそ声で話しながらこっちを見ている。
羨ましそうな視線を感じるけれど、変われるものなら変わってあげたい。
そして、この人はただの仕事馬鹿ですよ、と教えてあげたい。