冷徹上司は大家さん!?
「はー……」


 ランチを済ませ会社に戻った私は、デスクに座ると同時に大きくため息をついた。

 肩や首を回してみると、瀬尾さんと一緒にいる間中、体がかちこちに固まっていたのがわかる。


「何、どしたの永原ちゃん」


 私の様子を見て、同じ営業課の朝比奈さんが声をかけてくれた。

 彼女は私が入社したてほやほやの頃から教育を担当してくれている3つ上の先輩だ。


「朝比奈さん……朝比奈さんは検討リスト、空ですよね……」

「は? どういうこと?」


「すみません、なんでもないです……」
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