冷徹上司は大家さん!?
「よし、もう時間ないし調理室直行するぞ」

「あ、はい!」


 いつの間にか料理教室開始の10分前を指している時計を見て、私たちは慌てて部屋を出た。

 浅野課長の話すところによると、このアパートには2LDKの空き部屋が一つあるのだという。

 この近辺は一人暮らしの人が多いからか、借り手が数年間誰も見つからなかったので、リフォームして料理教室を始めたらしい。

 
「ここ、調理室。ドア空けてくれる?」


 今日使う材料で手がふさがっている浅野課長にかわって、私はドアを開けた。



――パン!パンパンッ!



「「浅野さん、結婚おめでとう~!!!」」

「……え?」
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