冷徹上司は大家さん!?
 ドアを開けると同時に飛び込んできた、破裂音のような大きな音。

 びっくりして思わずうつむいた顔を恐る恐る上げると、そこには満面の笑みでクラッカーを握りしめた4人の人がいた。



「え、浅野課長、結婚するんですか?」

「いや、そんな覚えはない……」



「またまた~! 誤魔化しても無駄ですよ?」

「この前同じ部屋から出てきたとこ、見逃さなかったんだから」

「スーパーで一緒に買い物してましたよね?」

「奥さん、これからよろしく~」


 口ぐちに言って詰め寄るクラッカー軍団。

 私はどうしたらいいかわからず浅野課長の方を見上げると、彼はため息をついて口を開いた。
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