冷徹上司は大家さん!?
「合コンだって。みんな熱心だね」

「まあ、うちの会社は社内恋愛禁止だからね。他のコミュニティに出会いを求めるしかないよ」

「彼氏もちは余裕ですなあ」

「ふふふ」


 明菜は嬉しそうに頬を緩ませて微笑んだ。
 取引先の広告会社で出会った彼氏とうまくいっているのだろう。


 取引先という言葉で瀬尾さんの顔が浮かんだけれど、私は気づかなかったことにした。

 あれから追加発注についての連絡はこまめにしているけれど、個人的なアプローチは特にされていない。

 本当は私に告白したことなんて、とっくにどうでもよくなっているんじゃないかな。


というか、その可能性を信じたい。


「そういえば社内恋愛といえばさ、ビッグニュースがあるんだけど」

「え?」


明菜は声をひそめて私に顔を近づけてきた。
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