冷徹上司は大家さん!?
「よし。今日は何作りたい?昨日買い溜めしたから、けっこう材料は充実してると思うけど」

「えっと……この前の天津飯、実はうまくできなくて。リベンジしてもいいですか?」

「なんだ、そうだったのか。作ってる間に言ってくれれば良かったのに」

「いや、私に合わせてもらってると麻友さんたちが待ちくたびれちゃうだろうなって思って……」

「なるほど。ちなみに今は夜だから、日が暮れるような心配は必要ないよ」

「た、たしかに」


 そういえば、今は仕事を終えた後なんだった。

 貴重な時間を割いてもらってるんだし、とにかく今は余計なことを考えないで天津飯に集中しよう。


 私は自分に喝を入れつつ、エプロンをきゅっと結んだ。

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