冷徹上司は大家さん!?
「わー、すごい!」

「いや、これくらい小学生でもできるだろ……この前はよく俺らが作るスピードについてこれたな……」

「だから、急いで作ったせいで卵も生焼けになっちゃったんですよ」

「うわ、そうだこれから餡を作って卵をとろ火でじっくり焼いて……完成するまであと何時間かかるんだ?」

「ほら、言ったじゃないですか、日が暮れるって」

「それ胸張って言うことじゃないぞ」

「すみません……」


「……わかった。ちょっと包丁持って、左手で玉ねぎおさえて」


 そう指示すると、浅野課長は小さくため息をついて私の後ろ側に回る。

 言われるまま、包丁と玉ねぎを両手に取ると、その上に浅野課長の両手が覆いかぶさってきた。


「え、な、なんですか?」
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