冷徹上司は大家さん!?
 結局浅野課長が大幅に手伝ってくれたこともあり、天津飯は無事仕上がった。


「いただきます。……あ、おいしい!」

「そうか? よかった」


 浅野課長はそう言って微笑み、自分も「いただきます」と丁寧に手を合わせた。


「そういえば、麻友さんたちとは同じサークルだったって言ってましたよね。なんのサークルに入ってたんですか?」

「ああ、ファッションショーの企画サークルだよ。会場を予約したり、モデルをスカウトしたりするやつ」

「へえー! そのときはメイクを担当したりしなかったんですか?」

「いや、それは専門でやる人が他にいたから。でも、そういう場面を見て化粧品業界に憧れたのは大きいと思う」

「なるほど……」
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