冷徹上司は大家さん!?
「目の前の問題に固執するふりをしていれば、見たくない問題からは目を逸らせるでしょう?」

「たしかに。本当は他に気になる人がいるのに無理っぽいときって、どうでもいい人と連絡取り続けたりしちゃいますよね」


 朝比奈さんの言葉に明菜も頷いた。


「そういうこと。恋愛お休み期間もいいけど、決めたことに囚われているだけなら、そんなの放棄して自分の気持ちに素直に向き合ってもいいんじゃないかな」


 朝比奈さんはそう言ってロングヘアを掻きあげ、にっこり笑った。


「さ、そろそろお会計しようか」

「待ってください、プリンまだ食べ終わってないです~」

「明菜ちゃん、早く片づけて」
< 99 / 301 >

この作品をシェア

pagetop