リアル
デリバリーの夕食を済ませ、勉強会の第2部にとりかかったのは、9時すぎになってからのことだった。
「おれ、酒飲んでいい?」
カイ先輩への、今日の授業料は、ビール2本とおつまみのおでん。
今朝は学校はバスで行ったから、帰りがチャリほど融通が効かないのだが――
金曜日だから遅くまで起きているであろうお兄ちゃんに、迎えに来てもらおうと企んでいた。
「大丈夫です!終バスまでには帰りますから。もしくはお兄たまに電話します」
すると先輩は、いつものように勉強中のあたしを気にすることなくゲームを始めた。
なかなかのボリュームに、集中なんて出来るはずもなく、あたしはついついテレビの画面に見入ってしまった。
「あ――そのゲーム!うちにもありました!」
「マジ?これね、うちの実家から持ってきたんだよね」
「敵キャラの名前……アンドレ、ですよね」
「おまえキモいな!普通そこまで覚えてないって」
和やかな空気を、幸せだと感じてしまった自分がいた。
「おれ、酒飲んでいい?」
カイ先輩への、今日の授業料は、ビール2本とおつまみのおでん。
今朝は学校はバスで行ったから、帰りがチャリほど融通が効かないのだが――
金曜日だから遅くまで起きているであろうお兄ちゃんに、迎えに来てもらおうと企んでいた。
「大丈夫です!終バスまでには帰りますから。もしくはお兄たまに電話します」
すると先輩は、いつものように勉強中のあたしを気にすることなくゲームを始めた。
なかなかのボリュームに、集中なんて出来るはずもなく、あたしはついついテレビの画面に見入ってしまった。
「あ――そのゲーム!うちにもありました!」
「マジ?これね、うちの実家から持ってきたんだよね」
「敵キャラの名前……アンドレ、ですよね」
「おまえキモいな!普通そこまで覚えてないって」
和やかな空気を、幸せだと感じてしまった自分がいた。