リアル
新年のご挨拶、と
「あけましておめでとうございます」
「………………おめでとう」
「こんな夜分遅くに申し訳ありません。隼人くんと、薫さんと、初日の出を見に行ってきます」
「…………」
一触即発の険悪な雰囲気を、
あたしは玄関先でハラハラしながら、
お兄ちゃんは目の前で大爆笑しながら、見守っていた。
「おいカイ!おれ、おまえに“隼人くん”なんて呼ばれたの初めてだよ!」
「ちょ、お兄ちゃん……!」
空気の読めない(いや、この場には有難い存在なのかもしれない)兄貴を、
あたしはまたさらにハラハラしながら見守っていた。
カイ先輩が提示した条件は巧みなものだった。
ひとつは、出発を大晦日ではなく、元旦の夜中の3時にしたこと。
そしてもうひとつは、あたしたちふたりだけではなく、うちのお兄ちゃんとリュウくんも一緒に行く、ということ。
このおかげで、お父さんからもどうにか許しをいただき、
はれて、あたしとカイ先輩の、おまけつき初日の出デートが実現したのである。
「………………おめでとう」
「こんな夜分遅くに申し訳ありません。隼人くんと、薫さんと、初日の出を見に行ってきます」
「…………」
一触即発の険悪な雰囲気を、
あたしは玄関先でハラハラしながら、
お兄ちゃんは目の前で大爆笑しながら、見守っていた。
「おいカイ!おれ、おまえに“隼人くん”なんて呼ばれたの初めてだよ!」
「ちょ、お兄ちゃん……!」
空気の読めない(いや、この場には有難い存在なのかもしれない)兄貴を、
あたしはまたさらにハラハラしながら見守っていた。
カイ先輩が提示した条件は巧みなものだった。
ひとつは、出発を大晦日ではなく、元旦の夜中の3時にしたこと。
そしてもうひとつは、あたしたちふたりだけではなく、うちのお兄ちゃんとリュウくんも一緒に行く、ということ。
このおかげで、お父さんからもどうにか許しをいただき、
はれて、あたしとカイ先輩の、おまけつき初日の出デートが実現したのである。