リアル
この部屋に来るのは2回目。
西日に照らされた、まだ慣れないその部屋の前で、あたしはどきどきしながらインターホンを押した。
ガチャリ、と鍵の開く重たい音がして――上半身はだかのカイ先輩が顔を出した。
「入って」
意外と筋肉質な身体に思わずどきっとしたが、
濡れた髪の毛から少し湯気があがっていて、お風呂上がりなんだとわかった。
「おじゃまします……」
でもやっぱり、その声と表情は機嫌が悪そうだったから、あたしは小さくため息をついた。
昨日、森川さんとあんなふうに外でふたりきりで会ってたことがバレたとか?
確かに森川さんが言ったように、理由がなんであれ、あれじゃあ誤解されかねないと、あたしも後で反省した。
でもそのことについて触れられたら、あたしだって言うつもりだった。
サユリさんと、会ってたんですよね?、ってこと。
しかしカイ先輩は、部屋に入るとすぐに、あたしの身体を抱きしめた。
西日に照らされた、まだ慣れないその部屋の前で、あたしはどきどきしながらインターホンを押した。
ガチャリ、と鍵の開く重たい音がして――上半身はだかのカイ先輩が顔を出した。
「入って」
意外と筋肉質な身体に思わずどきっとしたが、
濡れた髪の毛から少し湯気があがっていて、お風呂上がりなんだとわかった。
「おじゃまします……」
でもやっぱり、その声と表情は機嫌が悪そうだったから、あたしは小さくため息をついた。
昨日、森川さんとあんなふうに外でふたりきりで会ってたことがバレたとか?
確かに森川さんが言ったように、理由がなんであれ、あれじゃあ誤解されかねないと、あたしも後で反省した。
でもそのことについて触れられたら、あたしだって言うつもりだった。
サユリさんと、会ってたんですよね?、ってこと。
しかしカイ先輩は、部屋に入るとすぐに、あたしの身体を抱きしめた。