リアル
「……門限10時って、結構ツライよなあ」
カイ先輩が珍しくあたしの門限に口を出して、ため息をついた。
「そうですか?でもまあ、高校生だから仕方ないですよね」
「もっと一緒にいれたらいいのに、って思う」
横たわるあたしの身体を閉じ込めてしまうかのように、先輩はまた腕を回した。
髪をなでてくれる仕草がくすぐったい。
「このまま2、3日、ずっとこうしてたい。ふたりで一緒に起きて、一緒に寝る――ま、リュウがいるから無理なんだけど」
と、少しだけ寂しそうな表情を浮かべたカイ先輩に、
あたしはたまらなく切なくなって――でも、満ちたりた幸せを感じていた。
「また、走りに行きたいな」
天井を見上げたまま、カイ先輩がぽつりとつぶやいた。
「……サーキット?」
「うん。でもふたりきりは無理だろうから――隼人やリュウを誘って」
うん!と大きくうなずいて、あたしはカイ先輩の腕に抱きついた。
するとカイ先輩が、ふと、なにかを懐かしむように――微笑んだ。
「……知ってた?おれ、おまえと前にサーキット行ったときくらいから――おまえのこと、気になってたんだよ」
カイ先輩が珍しくあたしの門限に口を出して、ため息をついた。
「そうですか?でもまあ、高校生だから仕方ないですよね」
「もっと一緒にいれたらいいのに、って思う」
横たわるあたしの身体を閉じ込めてしまうかのように、先輩はまた腕を回した。
髪をなでてくれる仕草がくすぐったい。
「このまま2、3日、ずっとこうしてたい。ふたりで一緒に起きて、一緒に寝る――ま、リュウがいるから無理なんだけど」
と、少しだけ寂しそうな表情を浮かべたカイ先輩に、
あたしはたまらなく切なくなって――でも、満ちたりた幸せを感じていた。
「また、走りに行きたいな」
天井を見上げたまま、カイ先輩がぽつりとつぶやいた。
「……サーキット?」
「うん。でもふたりきりは無理だろうから――隼人やリュウを誘って」
うん!と大きくうなずいて、あたしはカイ先輩の腕に抱きついた。
するとカイ先輩が、ふと、なにかを懐かしむように――微笑んだ。
「……知ってた?おれ、おまえと前にサーキット行ったときくらいから――おまえのこと、気になってたんだよ」