リアル

眼光

晴れ渡る青空の下、続々とスポーツカーが集まってきている。


「受付、行くぞ。おまえも同乗者保険かけとけ」


「あ、はい……!」


慌てて、カイ先輩の後を追う。

もちろん、一睡も出来なかった。


長机の受付で、エントリーと支払いを済ませ、車体に貼る紙のゼッケンを受け取った。


カイ先輩の車にそれを貼り、トランクと後部座席から持ってきたタイヤを引っ張りだす。

リヤをジャッキで上げ、先輩はタイヤ交換を始めた。

あたしも見よう見まねで、クロスレンチをくるくると回す。


「今日はタイヤ3セット持ってきたからな!1日じゅう遊べるよ」


ピット内に積まれた6本のタイヤから、カイ先輩の意気込みが感じられた。

すぐに隣で、森川さんもタイヤ交換を始めた。


「あたし……ドリフトの横に乗るの、初めてかも」


「ああ、隼人さんはドリフトよりもグリップ派だもんね」


確かにリュウくんの言うように、兄貴はあまりドリフトをしない。

サーキットでドリフトの車の助手席に乗るのは初めてのことだった。




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