リアル
「あたしも行きたい……」
無意識のうちに出てしまっていた心の声に、一番驚いたのはあたしだ。
慌てて左手で口をふさいで、おずおずとカイ先輩のほうを向く。
――“おまえも来いよ”
たぶん、あたしは心のどっかで、そんなカイ先輩の言葉を期待してたんだと思う。
「――だめだ」
しかしそんな淡い期待は、無惨にも打ち砕かれた。
「女子禁制。参加していいのは、オンナがいない男子だけだ」
思いがけない言葉に、あたしはちょっとばかり(ほんとはかなり)しょんぼりしてしまった。
普段はあたしのこと――男の子みたいな扱いをするくせに。
そんなあたしをちらりと見ただけで、カイ先輩はそのまま続けた。
「男だけで飲みたい夜もあるんだよ。ましてやそれが、恋人たちの聖なる夜となれば……」
カイさんは、うっ、うっ、と、なみだを拭う仕草をした。
男の子って――女以上に、難しくって繊細な生き物なのかも。
あたしはしみじみ思いながら、大人しくカイ先輩の言葉に従うことにした。
無意識のうちに出てしまっていた心の声に、一番驚いたのはあたしだ。
慌てて左手で口をふさいで、おずおずとカイ先輩のほうを向く。
――“おまえも来いよ”
たぶん、あたしは心のどっかで、そんなカイ先輩の言葉を期待してたんだと思う。
「――だめだ」
しかしそんな淡い期待は、無惨にも打ち砕かれた。
「女子禁制。参加していいのは、オンナがいない男子だけだ」
思いがけない言葉に、あたしはちょっとばかり(ほんとはかなり)しょんぼりしてしまった。
普段はあたしのこと――男の子みたいな扱いをするくせに。
そんなあたしをちらりと見ただけで、カイ先輩はそのまま続けた。
「男だけで飲みたい夜もあるんだよ。ましてやそれが、恋人たちの聖なる夜となれば……」
カイさんは、うっ、うっ、と、なみだを拭う仕草をした。
男の子って――女以上に、難しくって繊細な生き物なのかも。
あたしはしみじみ思いながら、大人しくカイ先輩の言葉に従うことにした。