大好きと言わせて!
「え?あー、いいよ全然汚れてないし。若い女の子にお金もらうなんて、そんな事しないから。それに、君は命の恩人だし、こっちがお礼言わなきゃだね。ありがとう。」
「いや、本当にありがとうございますー、、?命の恩人って私がぶつかったのに、、そんな、、」
えっと、やっぱこの人飛び降りようとしてたのかな?!
でも命の恩人て?!え?!
「あの、つかぬことお聞きしますが、、もしかして飛び降りようとしてましたか?」
聞いてしまったー。いやほんと、失礼だなって自分で思うけど、気になるのよ。もうここまで来たら真相が気になって一週間は寝れない!!
するとイケメンお兄さんは、私の質問が思ったよりも的はずれだったのか、もしくは的を射すぎてたのか分かんないけど大きな声で笑いだした。
そして、私に近づき、綺麗な手でまた、私の頭を撫でた。
「ちがうよ?ちょっと…大事なもの落としたんだ。取ろうと必死になってね。落ちそうになったの。」
「え?!そんな大事なものなら、探さなくて大丈夫なんですか?!」
「いいんだ、どうせもう。必要のないものだったしね。僕には。」
イケメンお兄さんはすぐにそう返事をすると、驚くほど悲しそうな顔をして笑った。
なんか、なんていうか、こんなこと言ってるけど、多分よっぽど大事なものだったんだろうな。顔でわかりますよ、お兄さん。
「というか君、そんな事思ってたからあんな顔してたんだね!さっき!」
「え!どんな顔ですか!どんな顔してたんですか!!」
「んー、なんな泣きそうな顔?かな。すごい、どうしようっ!って思ってるって伝わったよ、顔で。」
テラ恥ずかしい!!!!!!!!そこまでみられてたとはー!!
赤くなってうつむいていると、イケメンお兄さんは、なれた手つきで名刺をだした。