大好きと言わせて!


「これ、僕の名刺です。一応何かあったときは、ここの番号に連絡をしてください。」

すっと、渡された名刺を受け取った私は、読み慣れない単語や名前に大人な雰囲気を感じた。

名刺に書かれた、大次 春樹 という名前。



どうしたものか。読めない。名字が読めない。

国語、一番苦手なんだ。特に漢字。文系だったら読めたのに。

こんな時に理系の血が騒ぐぅ。(理系でもない)

ここは、思いっきり、、春樹さん!ありがとうございます!て、ゆうか!?



いや、無理無理無理無理!!!アウトアウト!!!馴れ馴れしすぎる!ばーか
!わたしのばぁーか!!


私は、意を決して、おそるおそるつぶやいた。

「えっと、、おおじさん??…」

少しの間の沈黙。

「え?!、あ、名字読めなかった?結構有名かなーと思ってたんだけど、…まだまだかー俺の会社も。これ、おおつぎって読むんだよ。」

「あ!!すいません!おおつぎさんか!読めなくてすいません、、あと会社?」

「あ、知らないならいいんだ会社は!あっと、君の名前を聞いてもいいかな?」


また、あの王子さまスマイルで尋ねられた。


だめだって、

そ、即死だ、その笑顔、、、いちころっす、、



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