大好きと言わせて!
「それ、!!わたしの!」
「うん、春樹から預かってね。大学に行けば届けられるかと思ったんだけど、この公園みたらそれっぽい顔の子がベンチに座ってたから声かけたの。」
お兄さんは、そう言いながら学生証を返してくれた。
「そうだったんですね、、。その、わざわざありがとうございます。」
学生証を受けとる。
受け取った瞬間、急に目頭が熱くなる。
あ、泣きそう。そう思った。
だめだ、泣きそう。
そっか、大次さんは忙しいから。
返しに来てくれるなんて、そんな考え甘すぎた。
私は、普通の大学生で何の取り柄もない
大次さんは社長でファンクラブもある
そんな人がわざわざこんな私のために返しに来てくれるなんてそんな訳無いじゃないか。
そんなの、ある訳無いじゃないか。
何を舞い上がっていたんだ。
バカだ。
こんなとこで、あいつとの距離を感じたくなかった。