大好きと言わせて!
私は、ポツリポツリ話し出した。
もう、止まらない。お兄さんがいても関係ない。
「たぶん、嬉しかったんだ。
出会ったときから、一目惚れだったんだ。
無理やりキスされたのもドキドキしたんだ
学生証、持っててくれたのも嬉しかったんだ。
返してって言ったけど、本当はあいつに持っていて欲しかったんだ。
だって……
だって、じゃないと、あいつとの関係なんてもうない。
無いんだから。」
お兄さんは真剣な顔で私を見る。
何て思ってるのかなぁ、夢見る大学生?でももう無理だよ。
「何で今気づくのかなぁ。
何で私はこんなに素直じゃないのかなぁ。
何で私…………。」
途端、ダムが崩壊した。
「大次さんのことが……好きだって、思っちゃうのかなぁ。」
涙が止まらない。
もう、大次さんに会えないかもしれないから?
お兄さんにこんなとこみられて恥ずかしいから?
それとも、もしかしたら……大次さんが学生証返しに来てくれるかもなんて、期待していたから?
こんな真っ昼間に、ハンサムなサラリーマンの前で、大人げなく泣いてる私の方が
よっぽど変だ。