大好きと言わせて!




…………
…………………………
……………………………………



ちゅんちゅんちゅん……。


「ん、、朝……。」


目覚ましを見ると、今は8:05。
カーテンを閉め忘れたせいで太陽の光が差し込み、やけに部屋が明るくなっている。

部屋の出窓にぴったりくっつけた、お気に入りなベッド。

このベッドから出たくない気持ちもあるけど、今日はしなければいけないことが山積みだ。

「起きなきゃ……。」

まだ新しいスリッパに足を通す。
ふと、昨日のことを思い出した。


「あたし、言っちゃったよ。」


そう。

昨日私は、人生で初めて、告白と言うものをしてしまった。

告白って、私が知ってる限りだと、フラれるかつき合うか、ちょっと待ってて時間ちょうだいとか。


そんな答えもらえるものだとばかり思っていたよ。


なのに、あいつ、なにが、ヒミツ、だ!




「……こっちは、涙流しながら頑張っていったってのに……。」

グチグチ言いながら携帯を見る。
そして、固まる。


「へ?!なんで?!」


携帯を開くと、大次さんから、何件もの不在電話がかかっていた。


「昨日の18時に一件…20時に2件……22時に1件……。」

昨日、夕方に家に帰りついてから、泣きつかれていた私は風呂にも入らず、死んだようにいままで寝ていたのだ。

明日は日曜だし~予定もないし~。的なのりで寝た気がする。


でもまさか、こんなに電話きてたのに気づかないとは、私……。

……。


キレて、無視してるとか思ってるかな?


んー、寝てるだろあいつのことだから!って思ってるよなどうせ。


……。


「なんでこんなに電話してきてるの?」




その疑問が浮かぶ。

歯を磨きながら考えてみる。

「忘れ物をした。やっぱ俺も言いたいこと言う。謝らせて。なんでないた。まだ話は終わってないだろ。隠し事をするな。どれかな?」


……。


口のなかをゆすぐ。


顔を洗い、鏡を見る。




「忘れ物以外……全部な気がする。」







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