大好きと言わせて!
部屋の掃除……しなきゃ。
あと、洗濯物もたまってる。
買い出しにいって、それからお母さんに郵便だして……
それから……。
携帯電話をにぎる。
大次さんに、かけ直す?
かけ直してどうするの?また、昨日のカフェで会う?
そこで何を話すんだろう。
大体検討はつくのに。
わざわざわかりきったことを聞きに行く人いる?
「絶対落ちてる大学の合否を見に行く人なんて、いないっつの。」
冷蔵庫開けると、パックの牛乳の残りを飲み干す。
いない。
行くわけない。
けどさ。
けど、もしかしたら……
。
「あー、お腹すいた!パン屋行こっかなー!」
とりあえず、この事は忘れよう!
そう、無かったことにしよう!
いちいち悩んでいても仕方ないじゃん!
20歳が若々しくなくてどうするの!
私は、かごバックに財布と携帯をいれて、サンダルをはいた。
「よし!」
意気込んで玄関を開けると、少しだけ冷たい風がふく。
「さ、さむっ。」
サンダルやめようかな……。
もうすぐ冬なのに、未だ夏物のバッグや靴があるのは、独り暮らしの人はあるあるなのではないか。
だから、まあいいでしょ!って感じで年中関係なしにおいてあるせいか、最近は本当に季節感のない格好をしても恥ずかしくなくなってきていた。
「ご近所に限るけどね。」
パン屋はアパートの向かいにある小さなパン屋さん。
実は、今すんでるこのアパートにした理由も、このパン屋さんに通いたかったから何だよね♪
まだ、10メートルしかあるいてないのに、もうパンの匂いがする!
「なんにしよっか」
しゅーーーん!!!
「なーーー。」
道路を渡るギリギリのところで、青い車が走っていく。
「あ、危なかった~!!見てなかったー!!!」
それより、
い、まのくるま。
何か見たことあったな。
嫌な予感がするから、早くパン買って帰ろ……。