SECRET COCKTAIL
「雅君っ」
ある日帰宅すると、見慣れた靴が玄関にあって、嬉しくなってお兄ちゃんの部屋に飛び込んだ。
「おう、美來。おかえり」
「美來、お前、俺の部屋に来て、真っ先に雅君はないだろ」
寂しそうに呟くお兄ちゃんを無視して、私は雅君の横に座り込む。
だって、今日は雅君が来る予定のなかった日だ。
それなのに会えるなんて、今日は本当にラッキー。
私は今日、学校で渡されたテストの結果を取り出して、雅君の前に置く。
これを見せたかったのだ。
これを見せるまで来週まで待たなきゃいけないと思っていた所に思いがけず雅君がいたから、私のテンションはうなぎ上り。