SECRET COCKTAIL
「見て、雅君、これ」
私の差し出した成績表を手に取って、視線を巡らせた雅君が、驚いたように視線を上げた。
「美來、凄いな。めっちゃ成績上がってんじゃん」
「でしょう?雅君、ありがとう」
成績が上がった事も、雅君にそれを見せられた事も嬉しくて、素直な感情のまま笑顔を向ければ、雅君が一瞬驚いたように目を見張った。
「いや、俺じゃなくて、美來の力だろ」
優しく微笑んだ雅君が、私の髪をくしゃりと撫でる。
「頑張ったな」
すっと細められた瞳に見つめられて、ぶわっと頬に熱が集まったのが分かった。
その顔、反則。
まるで何かを愛おしむような色気の含んだ表情を惜しげもなく向けられて、平気な人なんていないだろう。