SECRET COCKTAIL
松川君が瞳を彷徨わせているから、きっと話しにくい相談事でもあるんだろうと思って、話を切り出してみる事にした。
「えーと。なんか私に相談したい事、あったんだよね」
それを言うと、彷徨わせていた視線が不意に私に向けられた。
「いや、相談ていうか。そうじゃなくて、俺は・・・」
「?」
なんだろう。
そのまま彼の言葉を待っていると。
ごくりと彼の喉仏が動いて。
大きく息を吸い込んだ後。
迷いを吹っ切るようにして、再び力強い視線を向けられた。
彼の緊張した空気がピリピリと伝わって来て、なんだかこちらまで緊張してきてしまう。