SECRET COCKTAIL
「俺、木戸さんが好きです」
「・・・え?」
一瞬周りの喧騒が消え去ったように感じた。
車が走り抜ける音も。
風の騒めきも。
どこかの家から聞こえるTVの音も。
「委員会が一緒で、ようやく話せるようになって、本当に嬉しかったんだ。一年の時からずっと好きだったから」
「い、一年の時、から?」
「うん。だから、俺と付き合ってほしい。だめ、かな?」
迷いを吹っ切ったようにはっきりと告げるその言葉は、清々しい位にまっすぐで。
突然の事で、一瞬頭が真っ白になってしまった私の心にも静かに沁みてしっかりと届いてきた。