SECRET COCKTAIL
「ううん。だめ、とかじゃないんだけど」
「じゃあ、オッケーだと思ってもいい?」
「あ、あの、でも、私」
「もしかして、好きな人とか、いる?」
「・・・・・」
どくん。
鼓動が、自分の奥底で目覚めた想いに反応する音を聞いた。
どうしよう。
気付いてしまった。
なんでだろう、こんな時に。
こんなにも真摯に告白された場面で。
それでも、今。
どうしても、頭に浮かんでくるのは、あの人の事だった。