SECRET COCKTAIL
「あれ?美來、帰ってたのか?」
「・・・うん、ただいま」
一応お兄ちゃんに応えてから、階段を上る。
「どうした?美來、なんかあったのかよ」
「なんでもない」
いつもと違う態度の私に、お兄ちゃんが気付かない訳がないけれど。
今の顔を見られたくはなかった。
「めずらし。雅弥がいるのに、絡んでこないなんて」
「美來だって、一人になりたい時ぐらいあるだろ」
背中にそんな声を聞きながら、私は自分の部屋に入って扉を閉めた。
~カカオフィズ~
(恋する胸の痛み)