SECRET COCKTAIL
hunter


「美來。あのな、雅弥がしばらく来られなくなったから」


「え?」


リビングのソファでテレビを見ている時、帰って来たお兄ちゃんに突然そんな事を言われた。


「なんで?雅君、どうかしたの?」


だって、一昨日家に来て勉強を教えてもらったばかりだったのに、その時は何も言っていなかったはずだ。


「なんかな、お父さんがちょっと具合悪くしたとかで、少し実家に帰るっていってたぞ」


「うそ。お父さん大丈夫なの?」


「大丈夫だから、心配するなって伝言。勉強は、分からない事があったら、俺に聞けよ」


そう言って、お兄ちゃんはリビングを出ていった。



来週はテストがある。


雅君が次に来た時に、良い成績を見せられるようにしておかないと、と思い直して。

私はテレビを消して、勉強をするために自分の部屋に向かった。

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