SECRET COCKTAIL
それから二週間後に、雅君は何もなかったように家に来た。
「よう、美來。試験どうだった?」
「うん。ばっちり。またちょっと成績上がったよ」
ほら、と準備していた成績表を掲げて見せた。
「おお、流石。頑張ったな」
「うん。雅君をがっかりさせないように頑張った」
「なに言ってんだ、がっかりなんてするかよ」
それでも、満足気に成績表を見ているから、やっぱり頑張って良かったって思った。
でも。
「あのさ。雅君、お父さん、大丈夫だった?」
心なしか、雅君の表情が疲れたように見えたから。
何があったのだろうと、不安になった。