SECRET COCKTAIL



あの日。



自分でやりたい事を見つけたいと言った、穏やかな声や。


教える事が面白いと言った、真っ直ぐな視線。


お父さんを尊敬していると話していた、嬉しそうな笑顔。




今まで交わしたそんな何気ないやり取りが、頭の中を駆け巡った。





『いつか、連れてってやるよ』




あの時。



優しい声ではっきりと。


迷いなくしてくれた、あの約束も。





もう、叶える術がないなんて。

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