SECRET COCKTAIL
どうして。
なんで。
こんな不公平な事があっていいの。
どうしてこんな風に。
確かにあるはずだった誰かの未来や。
希望に溢れていたたった一つの夢まで、簡単に奪われなきゃならないの。
胸が痛くて、苦しくて。
ぼろぼろと零れて来る涙を慌てて拭った。
こんな風に私が思ったところで、何もできやしない。
私が泣いた所で、雅君の現実は何も変わらないのに。
まだ子供で、ちっぽけな私が。
雅君のためにしてあげられる事なんて、何もないのに。
そう思うのに。
涙が溢れて、止まらなかった。