SECRET COCKTAIL
だから。
当然と言えば、当然なのだろう。
高校三年の冬。
大学の試験が一通り終わってしまってから。
雅君は、何も言わずに私の前に現れなくなったんだ。
携帯電話の番号もアドレスも知っていた。
だから油断していたのかもしれない。
このまま普通通り、雅君は家に来るんだろうって思っていた。
でも、一週間経っても二週間経っても。
私の志望校の合格発表をされる頃になっても。
雅君が家に来る事はなかった。