SECRET COCKTAIL


だから。


当然と言えば、当然なのだろう。



高校三年の冬。




大学の試験が一通り終わってしまってから。

雅君は、何も言わずに私の前に現れなくなったんだ。



携帯電話の番号もアドレスも知っていた。


だから油断していたのかもしれない。


このまま普通通り、雅君は家に来るんだろうって思っていた。




でも、一週間経っても二週間経っても。


私の志望校の合格発表をされる頃になっても。





雅君が家に来る事はなかった。

< 164 / 341 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop