SECRET COCKTAIL
「美來、何してんの」
少し離れた所で、友達が私を呼んでいて。
凍り付いていた身体がふっと解けて、慌てて視線を逸らす。
どうしてこんなに、思い知らされるんだろう。
私が忘れる事もできず、未練たらしく思い続けているからダメなのだろうか。
やはり。
これが、私たちの現実なんだ。
私は、全ての想いを振り切るようにして、友達の所に走り寄った。
「ごめん、何でもない」
これが、私の初恋の結末だった。
~テネシー・クーラー~
(あの日の約束)