SECRET COCKTAIL
velvet hammer


「お、やっぱりいた」



チリンと鳴った音に目を向ければ、そこにはやはり想像した通りの人が立っていた。


「多田君・・・」


私は相変わらず、ここに来る事を止められずにいるのだけど。

ここ最近、私が雅君のお店に来ていると、多田君も良くここに来る。


このお店が気に入ったんだと言うけれど、私としては貴重な雅君との会話が減ってしまうから微妙な心境。

それに、心なしか雅君の機嫌が悪くなるような気がするんだ。



多田君は迷わず私の隣に座る。


「高城さん、いつもの下さい」


「いつものってなんだよ」



ほら。


雅君の眉間に皺が寄る。

< 200 / 341 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop