SECRET COCKTAIL
velvet hammer
「お、やっぱりいた」
チリンと鳴った音に目を向ければ、そこにはやはり想像した通りの人が立っていた。
「多田君・・・」
私は相変わらず、ここに来る事を止められずにいるのだけど。
ここ最近、私が雅君のお店に来ていると、多田君も良くここに来る。
このお店が気に入ったんだと言うけれど、私としては貴重な雅君との会話が減ってしまうから微妙な心境。
それに、心なしか雅君の機嫌が悪くなるような気がするんだ。
多田君は迷わず私の隣に座る。
「高城さん、いつもの下さい」
「いつものってなんだよ」
ほら。
雅君の眉間に皺が寄る。