SECRET COCKTAIL
american lemonade
よし、今日は早く終わった。
金曜日だというのに仕事が早く終わった事が嬉しくて、私は気分よく足が向くまま早足で通りを抜けた。
週末だから、今日はいつもより長くお店に居られる。
そんな事でさえ、私にとっては気分が上がる要素になる。
「あれ?」
いつもの路地に差し掛かっても、看板に明かりが灯っていない。
それだけで、見慣れた路地がワントーン暗く見える。
まだ開店準備中なのだろうか。
そんな事を思って、階段を下りて扉の前に立つ。
「クローズって」
扉の前には、closedの札が掛かっていて。
一応扉に手を掛けてみたけど、当然鍵が掛かっていた。