SECRET COCKTAIL
「ずっといたのかよ」
まるで待っていた事を見透かしているかのような台詞。
「・・・うん」
「店開けない日もあるのは知ってんだろ。開いてない時は、外で待ったりすんな」
雅君は視線を上げもせず、手元に視線を落としたままそう告げる。
「・・・ごめんなさい」
迷惑を掛けるつもりじゃなかった。
だって、本当に。
今日はもう戻って来ないと思ってた。
だから、待っていたというよりは。
自分の想いの行き場をなくして、途方に暮れていたという方が正しい。