SECRET COCKTAIL
kami-kaze
チリン。
扉を開けた途端。
バサッと何か投げつけられると同時に。
「くそっ」
と叫ぶ声が聞こえた。
俺は投げつけられたモノを拾うと、上着だと分かるそれを指に引っ掛けたまま、そいつに近寄った。
「なんだよ?随分荒れてんな」
俺の言葉にびくんと身体を揺らして。
俺を視線に捉えたそいつが、大きく目を見開いた。
「穂積?」
「ああ、久しぶり」
「・・・帰って、来てたのか」
「ああ、今朝な。急に休みが取れたから、未來にも言ってない。あいつがなかなか帰って来ないから迎えに来たんだよ。で、美來は?来てたんじゃねぇの?」
俺がそれを言うと、その男は気まずそうな顔をして髪をかき上げた。