SECRET COCKTAIL


だけど。


穂積の両親も、美來の家庭教師代を払わせて貰えなかったという理由で、それを快諾したという。


後にお袋が、それは返金したと教えてくれたけれど。

おかけで俺はその事実を知った後に、働きながらでも何とか大学を卒業する事ができた。


はっきり言って、もう教師になる事は不可能だったし、すでに違う未来を考えるようになっていたから、大卒という事にこだわりがあった訳じゃない。

ただそこまでしてくれた俺の親友のために、どうしても卒業だけはしなくちゃいけないと思ったんだ。



しかも、俺はホスト時代。


半ばやけになって自分を見失っていて。

別にこの先、自分がどうなろうとどうでもいいと思ってた。



だから、オーナーが一部肩代わりしてくれた借金のために、自分がボロボロになって働く事ぐらい、なんとも思っていなかった。


ずっとこの世界で生きていくのかもしれないとぼんやりと思っていた。



その時俺の目を覚まさせてくれたのも、穂積だった。

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