SECRET COCKTAIL
「でも、木戸にちゃんと答えを貰えたので、後悔はしていません」
「そうか」
手に乗せている氷すら。
今は指先に冷たさを伝えてこない。
自分の胸の奥の方が、もっと冷たくなっていくような気がするから。
「だから、高城さんにお願いがあります」
「なんだよ」
美來に近づくな、とでも言われるのかと思って身構えた時。
目の前のそいつが俺に頭を下げた。
「木戸を幸せにしてやって下さい」
「・・・は?」
何を言われているのか分からなかった。