SECRET COCKTAIL
「悔しいし、まだ諦めきれないけど、でも木戸が言うんです。自分が一番幸せなのは、高城さんの傍にいる事なんだって」
「は?お前、何言って、」
「はっきり振られました。多分、どんなに想ってくれても、自分は雅君を好きでいる事を止められないからって。どうしたって忘れられないから、ずっと好きなままでいるって。あんな綺麗な顔で微笑まれたら、もう諦めるしかないっすよね」
こいつは、何を言ってるんだろう。
だって、美來は確かに、この男と付き合う事にしたと言っていたはずだ。
「待てよ。お前たち、付き合う事になったんじゃないのか?」
「はぁ?んな訳ないですよ、あんなにはっきり振られたのに。どこからそんな話に・・・って、まさか木戸が言ったんですか?」
「・・・ああ」
俺の答えに、目の前の男は不機嫌そうに眉を寄せて。
「だからか」と小さく呟く。