SECRET COCKTAIL
美來。
どうして。
あの日、切羽詰まった表情で。
涙を一杯に溜めた瞳で。
俺をみつめてきた美來を思い出す。
あれは。
俺の傍にいるのが幸せだと思っていてくれた美來が。
俺のために、俺から離れる事を選んだ覚悟の言葉だったのか。
それなのに、俺は、何て答えた?
珍しくお願いがあると言って来た美來の願いに、何て答えた?
美來の幸せのためだとかなんとか、ぐちゃぐちゃ考えていた事が、酷く滑稽に思えた。
美來。
俺は本当に。
お前の幸せを考えていたと言えるのか?
なぁ、美來。
お前は、本当に・・・。