SECRET COCKTAIL
「高城さん」
改まった口調で名前を呼ばれて、真っ直ぐに瞳を向けて来る男と視線を合わせた。
「あなたは、木戸の事を大切な女だって言いましたよね」
「・・・ああ」
「それって、彼女を異性として好きだという意味ですよね。俺には、あの時そう聞こえました」
俺がそれに答えられずに口を噤んでいると。
男はあからさまに溜息をついた。
「あなたにどんな事情があるのかは知りません。でも、本当に木戸の事が大切なら、自分の気持ちをちゃんと伝えるべきなんじゃないんですか?」
「・・・・・」
「本当に悔しいですけど。多分、木戸を幸せにできるのは、あなただけなんだと思います」
その言葉は、俺の胸に真っ直ぐに突き刺さった。